チーム医療という考えが大病院を中心として医療機関全般に広まっています。医療現場において古くからの体制としては医師が頂点に置かれており、患者の病気の診断と治療を行う中心人物として位置づけられていました。そのサポートを行っていくのが、薬剤師や看護師を代表とする他の医療スタッフであるというのが基本体制だったのです。しかし、よりよい医療を患者に提供していくためには、それぞれの医療スタッフが最大限に専門的な能力を発揮していかなければならないということが認識されるようになりました。その結果として、患者を中心として考え、医師や薬剤師、看護師といった医療スタッフが、それぞれの専門的能力をそれぞれの立場から対等に提供し合い、指摘し合うことによって医療を提供するという考えに到達したのです。
チーム医療では医療スタッフがチームを作り上げることによって一人ではできなかったことを実現するということが目指されます。そのためには互いの職能を理解するということも大切であり、医師のサポートという考えで働いていた医療スタッフも、他のスタッフが専門とする仕事について詳しく知っていることが必要とされてきているのが現状です。質の高い医療を提供するということは、患者から望まれていることであると同時に、医療スタッフとしても実現したいことに違いありません。そのための手段としてチーム医療を実施する意識を誰もが保つ必要が生まれているのです。