我が国の医療はますます高度化し、いわゆる先進医療の発展は目覚ましいものがあります。医療が高度化すればするほど、医療にまつわる知識や学問は細分化され、さまざまな専門分野が次々と生まれています。しかしこうした専門分野は、一面ではより深い医療の追求ができる一方、より鳥瞰的な視野による医療の実践が疎かになってしまいがちでもあります。
チーム医療はこうした高度先進医療に対応するべく推奨されている新しい医療の形であり、さまざまな専門家が互いの深い知識を発揮できる医療体制なのです。チーム医療についてはこちら【チーム医療推進同好会】
たとえば、医療の専門分化によって、癌という一つの病気をとってもさまざまな専門分野があります。外科医、内科医の他、腫瘍内科医や放射線科医、さらには病理医など、同じ癌を治療するための医療であっても多数の専門分野が存在します。こうしたさまざまな専門家たちがそれぞれ別個に治療をしていては、治療が酷く迂遠なものになってしまうかもしれません。チーム医療はこうした専門家たちがお互いに協力し合い、1人の患者に向き合っていくという医療体制であるため、治療のバリエーションを無限に増やすことが可能なのです。
これは1人の患者がさまざまな専門分野の医療を一気に受診することができるようなものであり、言ってみれば広く深い治療を可能にする医療体制だということなのです。もっと言えば、チーム医療というのはこうした医療の専門家だけでなく、患者の家族もその一員として深く病気の治療と関わっていくため、精神や生活面においても患者にとって好影響を与えてくれる医療の形なのです。