チーム医療とは、患者1人1人に対して医療従事者が一丸となって治療を行う事を指します。医療スタッフはその職種によって専門分野が異なるため、それぞれが密な連絡を取り合い、必要な助言を互いに行う事によって、患者への対応の質を上げることが可能になります。
救急車で重症患者を病院に搬送する際には、チーム医療が最も効果を発揮します。まず救命救急士がいち早く現場に駆けつけ、患者の重症度をチェックします。その際、最も適切と思われる病院に連絡を取り、治療体制を取るように依頼し搬送を行います。出血や心停止などの命にかかわる状態の場合には、救急車の中で応急処置や心臓マッサージなどを試みます。
病院への搬送が無事に行われると、患者は医師に引き継がれ緊急手術となります。この際、看護師は点滴や心電図の取り付け、患者の意識確認など、その後の手術に必要な準備を進めておくことも忘れてはなりません。
無事に手術が終わり、リハビリによる身体機能の回復を行う段階では、作業療法士と呼ばれる医療スタッフが回復への手助けを行います。
手術により、点滴や呼吸器を外すことのできない患者に対しては、回復への助言や指導を行う事により、自分の力で身体を動かす事が可能となるようにサポートを行います。このように、救急搬送の場合だけをみても、たくさんの医療従事者が相互に連携する事によって、人命救助が可能となっています。チーム医療に携わる際にはその患者の症状や状態を次の医療スタッフに適切に引き継げるよう心がけなければなりません。