患者を中心としたチーム医療への取り組みが進む現在の医療現場では、従来に比べ看護師に求められる技術や知識が多くなっています。特に医療技術が進歩し、診療科も細分化する現在では多分野の医療従事者との調整だけでなく、患者に最も身近な存在として医療サービスの質を高める重要な役割を果たします。
日本看護協会でも、より高い水準の看護ケアを提供すべく資格認定制度を設けています。この制度は、看護師免許の他に設けられたもので、専門看護師と認定看護師、認定看護管理者と3つの資格があります。
専門看護師は、特定の看護分野における技術や知識を有し、看護実践できる者に対して付与される資格で、その専門分野は、がん、精神、高齢者、小児看護など多岐にわたります。そして認定看護師は、熟練した看護技術と知識を用いて高い水準の看護を実践できる者に付与される資格で、専門分野としては救急や手術、認知症看護や集中ケアなどがあります。また認定看護管理者は、質の高い組織的な看護サービスを提供するための管理能力に優れた能力を有し、組織を創造的に発展させられる者に与えられる資格です。実務経験はもとより、管理経験や大学院での修士号取得など受験要件が絞られる管理職向きの資格です。
チーム医療の現場で多くの役割を求められる看護師は、専門看護師や認定看護師の資格を取得しより専門性を高めたり、自分の看護能力を高めることが求められます。そして、資格取得により専門的に能力を発揮することが可能になります。また、専門であるが故に、他の業務をその他の看護師と分割することができ、チームの一員としてその役割を的確に果たすことを可能にします。